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【虎に翼】斧ヶ岳美位子のモデルと実話の判決とは?尊属殺人はどうなった?

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NHK朝ドラ「虎に翼」に登場した壮絶な過去を背負った女性・石橋菜津美さんが演じる斧ヶ岳美位子(おのがたけ・みいこ)には実在モデルと実話をご紹介します?「虎に翼」斧ヶ岳美位子のモデルと尊属殺人の実話はどうなったのか?判決やネタバレをご紹介します。

目次

虎に翼の斧ヶ岳美位子の尊属殺人とは?

虎に翼斧ヶ岳美位子とは?

斧ヶ岳 美位子(おのがたけ みいこ):石橋菜津美

<依頼人>
とある事件の被告人として、よねたちに弁護を依頼。 事務所を手伝いながら、居候している。

引用元 NHK

斧ヶ岳 美位子は父親殺害の尊属殺人の罪に問われていましたが、つい先日保釈が認められ、山田轟法律事務所を手伝っています。

本人は手伝いというか、居候させてもらって、と言っていましたが。

斧ヶ岳 美位子は自分の弁護をよね(山田志央梨)と轟(戸塚純貴)に依頼していました。

斧ヶ岳 美位子は父親からのおぞましい虐待に長年耐えてきて、母親が家を出てから何年も、父親と夫婦のような生活を強いられていたのです。

子どもも2人産まされました。

外に出て働くようになり、恋人ができ結婚しようとしましたが、父親が激高し斧ヶ岳 美位子を家に監禁し、暴力をふるい続けるように・・・。

こうして斧ヶ岳 美位子は父親を殺害するに至りました。

よねと轟に弁護の依頼をしたのは、斧ヶ岳 美位子の母親、斧ヶ岳寛子(宮田早苗)です。

斧ヶ岳美位子は自分を置いて出て行った母親を許してはいませんが、よねと轟に出会えたことには感謝していました。

弁護士費用の心配をする母親に、斧ヶ岳美位子は自分で払うと言います。

よねと轟は控訴してくると予想し、最高裁まで争う覚悟でした。

自身も父親から身を売られそうになった経験を持つよね。「こんな理不尽が許されてたまるか」と決意を固めています。

よねと轟ははこう主張するつもりです。

刑法200条、尊属殺人罪は憲法14条に違反している

どういうこと?

尊属殺人や刑法200条、憲法14条とは

尊属殺人(そんぞくさつじん)とは、自己または配偶者の直系尊属(親や祖父母など)を殺す罪のこと。

刑法200条は、自己または配偶者の直系尊属を殺した者は死刑または無期懲役に処する、というもので、普通の殺人罪にさらに尊属殺人罪が過重される、というもの。

憲法14条とは「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」というもの。

全ての国民は平等であるのに、尊属殺人は普通の殺人より罪が重い、というのは違憲である、というものです。

専属殺人の場合、執行猶予もつきません。

よねと轟はこの訴えにより、正当防衛もしくは緊急避難を主張するつもりでした。

尊属殺人は以前にも「虎に翼」で、違憲では?という裁判がありましたが、穂高教授(小林薫)など一部は「違憲」という判断をしましたが、多くの裁判官の判断により「合憲」という判決になっています。

よねと轟はこの判決を覆すことができるのでしょうか?

【虎に翼】轟太一のモデルは誰?よねと結婚するネタバレ?

石橋菜津美とは

石橋菜津美さんは現在32歳。幼少期からダンスを習い、女優に憧れオーディションを受け続けていたそうです。

16歳のときの2008年、テレビ東京のオーディション番組に合格し芸能界入り。女優として活動を始めました。

2020年にシングルマザーになったことを発表し、子育てをしながら女優活動を続けています。

ドラマ主演は2009年「ケータイ恋愛小説 君のせい」や2019年の「ゾンビが来たから人生見つめ直した件」など。

ドラマ出演は「大豆田とわ子と三人の元夫」「ボイス 110緊急指令室」などがあります。

石橋菜津美さんのプロフィールや出演作品については、こちらに詳しい情報がありますので、どうぞご覧ください。

虎に翼斧ヶ岳美位子【みいこ】役は石橋菜津美!出演作品は?

斧ヶ岳美位子にモデルと実話!尊属殺人のドラマ以上に壮絶な事件とは?

NHK朝ドラ「虎に翼」斧ヶ岳美位子のモデルは実在します。悲しいことに実話だったのです。

「尊属殺重罰事件」の実話

事件があったのは1968年10月5日。栃木県で起こりました。

当時29歳だった女性Aさんが、長年に渡り性的虐待をしてきた父親、当時53歳を殺害した事件です。

10月5日夜、植木職人でそのとき泥酔していた父親を、Aさんが首を絞めて殺害。Aさんは近所に父親を殺してしまった、と駆け込みました。

Aさんは非常に興奮していましたが、次の日の夕方になり「口論となり夢中で殺してしまった」と供述。

Aさんが働いていた印刷会社で、恋人ができたことを妬んだ父親は、Aさんに暴行を加えAさんは欠勤を続けていました。

斧ヶ岳美位子のモデル・Aさんのおぞましい過去

事件から数日後、大貫弁護士のもとを訪れたAさんの母親。このとき母親はAさんや夫とは別居していました。

そこで母親からAさんの驚愕する事実が語られます。

Aさんは14歳のころから父親により性的虐待を受けていて、それはずっと続いていました。

虐待が始まって1年が経った頃、Aさんは母親に相談し、母親は父親を問い詰めます。

ですが父親のDVに耐えられず家出をしてはまた連れ戻される、を繰り返します。

虐待を知った親戚からも忠告された父親でしたが、まったく聞く耳を持たず。

やがて父親はAさんと妹を連れ、転居してしまいました。

その後Aさんと父親は夫婦のような生活を送ります。

結局Aさんは父親との子を1956年から1959年まで5人出産。うち2人は幼いうちに亡くなっています。

母親も家に寄りつかなくなり、妹や子どもたちを守るため、Aさんは逃げ出すことを諦めました。

1964年に妹が就職で家を出ます。父親はAさんに働くように言い、Aさんは近所の印刷会社で働き始めます。

外で働くことで、Aさんは自分のおかれた現状は異常であり、人生を取り戻したいと思うように。

1968年に職場で知り合った男性との結婚話を父親にします。

すると父親は激昂し、Aさんを10日間にわたって監禁し、暴行し続けました。

自分らしく生きていくには、父親を殺害するしかない

そう思ったAさんは、枕元にあった腰ひもで泥酔状態の父親を絞殺しました。

話をしながら母親も、聞いていた弁護士の大貫親子も、涙を流したといいます。

貧しかった母親は、リュックいっぱいのじゃがいもを弁護士費用として渡し、大貫親子はそれを受け取りました。

殺人の罪は当時死刑、もしくは3年以上の懲役でした。ですが父親殺害の尊属殺人は、最低でも無期懲役。執行猶予もつかないため、実刑判決は免れません。

大貫親子は実刑はあまりにも可哀そうだと思い、策を練り上げました。

近所の評判

近所の人は、ふたりを夫婦だと思っていたので、事件を知り驚いたそうです。

ふたりは二間の狭いアパートで、貧しい暮らしをしていたといいます。

父親は植木職人でしたが、月の半分も働かず飲んでばかり。見かねた近所の人が、畑でとれた野菜をあげていました。

Aさんはお礼に畑の草むしりをしていたそうです。

Aさんは体格が良く、器量も良かったといいます。悲惨な環境で育ったようには見えないと。

事件のあとは、近所のみなさんもAさんを不憫に思い、裁判の証人として何度も出廷したといいます。

虎に翼の美位子の実話の判決とは?尊属殺人はどうなる?

大貫弁護士は殺人罪に過重される、刑法200条の専属殺人罪を違憲だと主張。さらに緊急避難や正当防衛などの主張もしました。

事件の異常さ、悲惨さを訴え、大貫弁護士は手ごたえを感じます。

第一審は刑法200条は違憲無効となり、過剰防衛により刑の執行を免除する、という判決が出ました。

ですがすぐに控訴され、二審の東京高裁で刑法200条は合憲、懲役3年6か月という逆転有罪になります。

最高裁の審理の場が、5人でおこなう小法廷から15人による大法廷に替わりました。大きな憲法判断をするときに行われることです。

最高裁調査官も親身に話を聞きいてくれたといいます。

最高裁では弁護士が直接裁判官に訴える、弁論の機会も与えられ、大貫弁護士は何度も練習したそうです。

弁論の機会が与えられるのは異例のこと。

見事な名演説をした大貫弁護士。

1973年4月4日、最高裁はこんな判決を出しました。

刑法200条は憲法14条に違反して無効。刑法199条のもと情状を酌量して懲役2年6月、執行猶予3年の刑

弁護側の勝利です。

のちに刑法200条の規定が正式に削除されました。

虎に翼斧ヶ岳美位子はどうなるか考察

事件のあらましが忠実に描かれたので、おそらく判決も同じようになるのでは?と想像しています。

最高裁まで争われ、最終的に執行猶予付きの判決かな?と思います。

実話の大貫弁護士は親子で、父親が担当していましたが、途中で病死され、その後は息子さんが引き継ぎました。

まさかよねか轟どちらかが死んじゃう?いやいや、ふたりは親子ではないので、それはないと思います。

裁判でのふたりの活躍がたのしみです。

まとめ

NHK連続テレビ小説「虎に翼」に登場した、石橋菜津美さん演じる斧ヶ岳美位子。

長年父親から性的虐待を受け、父親との間に子どもまで・・・。

外で働くようになり、結婚したいと思う相手と出会い、そのことを父親に告げると逆上されます。

監禁され暴行され続け、ついに斧ヶ岳美位子は父親を殺害。

その斧ヶ岳美位子の裁判がこれから描かれます。

この斧ヶ岳美位子の話は実話でした。モデル事件は「尊属殺重罰事件」と呼ばれた事件。

ドラマと同じで、14歳からずっと父親に性的虐待を受け続け、5人もの子どもを出産しています。

ドラマよりも酷いです!

結婚したいと告げたところ、監禁され暴行され続け、ついに父親を殺害しました。

なんと可哀そうな女性でしょうか。でもこの事件が、刑法200条の削除に繋がりました。

司法も個人の犠牲があり、少しずつ訂正されてきたのでしょうね。

それにしても穂高教授からの伏線、見事に回収しましたね。お見事でした!

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